気がむいた時だけ更新する草木花(仮題)

せっかくあるのでほっとかないで使おうかなあと…

バケツ稲

 気付いたら5人くらい購読者がいるんですけど、このブログすごく放置なのでいろいろごめんなさい。なんせタイトルからして気が向いた時だけなので年単位で放置したりするブログです。

 さて、植物関係で今年の目玉というと、バケツ稲というものをやってみました。バケツを小さな水田に見立てて稲を育てるんです。バケツでどのくらい収穫できるか競ってる人たちもいるみたいですよ。ちょっと面白でしょ?

田植え 6月6日


 ツイートでは赤米と書いてしまっていますが、植えたのは黒米の苗です。普通のうるち米でよかったんですが、種籾(たねもみ)をほんの少しだけっていうのが手に入らなかったんですよね。JA(農協)で無料配布しているのは知っているんですが、取り寄せようとするといろいろ面倒くさいなあと思ってしまい、「玄米でも水に漬けておけば発芽するので、それを育てればいいのでは?」と思いついて買ってきたのが黒米だったのです。


 黒米や赤米だと白米に混ぜて炊くのでこんな少量で買えるわけです。しかも玄米の状態で売られてますしね。これを3粒くらいづつ、小さな鉢にまいたのを何鉢か作ってみたら、いくつか育ちそうだったのでそれをバケツに植えました。

種籾をまいた小さい鉢はこんなやつ。ダイソーで買いました。

 苗を育ててる様子も写真を撮ったらよかったんですが、なんとなく撮らずに過ぎちゃったみたいですね。

成長過程 6月13日



成長過程 7月18日



中干し 同日

 バケツから水をこぼすだけなので、中干し中の写真は撮らなかったみたいです。ツイートでも言ってますが、田植えから一ヶ月後くらい(稲の茎が20本くらいになった頃)に一度水を抜いて乾かすことを中干しというそうです。

 水を抜いて3〜5日くらい乾かしてから、また水を張ります。そうすることで根っこに空気がまわって根がよく育ち、茎は必要以上に増えなくなり、台風が来ても倒れにくくなるそうです。ただ、乾かしすぎてもいけないそうで、その見分け方として、葉っぱが丸まって細くなる、というのがあります。

 レモングラスと同じだと書いているのはその部分です。同じイネ科の植物で、夏の暑い盛りに水やりを忘れると葉っぱが丸まって針のようになってしまいます。見慣れた話だったので同じイネ科だから似てるんだなと思ったわけです。

 稲も中干し中にそうなったら乾燥させすぎだそうですので、すぐ水を張らないとダメだそうです。

稔るほど頭を垂れる… 8月28日



稲刈りに向けて水を抜く 9月4日

 そろそろ頃合いかなと思い、今度は稲刈りに向けて水を抜くことにしました。この水を抜く時期っていうのが、わたしは穂の具合とか日数とかでだいたいこのくらいかなと決めたんですけど、田んぼだとすべての穂を見てまわるわけにはいかないので、出穂期(しゅっすいき)から45日後くらいで、毎日の平均気温を合計して1,000℃になった頃とするそうです。気温の合計は見てなかったな。来年もしやることがあったら気温にも注目してみたいと思います。

稲刈り 9月13日

脱穀 9月29日

籾すり

 籾すり(もみすり)は厄介な作業でした。籾米(もみごめ)が十分に乾燥していれば、米同士をこすり合わせるなどすると摩擦(まさつ)でパリンと剥けるのですが、どうやって摩擦をかけるかってことです。

 古代の人はどうしていたかというと、臼と杵でついてたそうです。力が弱いと効率よく剥けないでしょうし、強すぎると米が粉砕して粉になってしまうのでいろいろ面倒だったんじゃないかと思います。検索してみたら、農業体験で作った米を臼でついてる人がみつかりましたが、やはり剥けない米が沢山あって、どうしていいかわからないみたいな事を書いてらっしゃいました。

 もうちょっと時代が進むと磨り臼(すりうす)というものを使ったようです。木や素焼きで出来た石臼みたいな構造のものです。粉にならない程度の重さや隙間を工夫して、摩擦をかけるんじゃないかと思われます。磨り臼は使ってみたことがないので、どのくらい効率よく剥けるのかは想像がつかないですねー。

 バケツ稲だと量が少ないですから、やはりすり鉢に軟式野球のボールかなんかで少量の籾米をこすりつけて剥くのが一番良さそうです。わたしは身近に転がっているのがテニスボールだったので、ゴム手袋をかぶせて使いました。うまく剥けなかった分は、そのゴム手袋を手にはめて指先でこすりつけてどうにか頑張りましたけど、結局どうすればよかったんでしょうね(笑)

 籾すりをしたあとは、米と籾殻(もみがら)が混ざった状態になるので、ざらざらっとゆすってから息を吹きかけると籾殻だけが風圧で飛んでいきます。そこらじゅう籾殻だらけになるので、庭とかベランダとかでやるといいです。鳥を飼ってる人だと、鳥が食べて殻だらけになったアワ玉に、息をふきかけて殻を取り除くと思うんですが、それと同じです。

 量が多いと息を吹きかけて飛ばすわけにはいかないので、昔の人がどうしてたかっていうと、風の強い日に、箕(み)という大きなちり取りみたいなもので頭の上に担いで、むしろの上かなんかに落とすんだと小学校の社会科の授業かなんかで習いましたね(笑)

 それじゃ風のない日にはできないので、唐箕(とうみ)という道具が発明されました。これはわりと最近(って明治時代とか?)まで使われてたんじゃないかと思うんです。わたしの物心つくころには祖母の家にはもう水田がなかったんですが、バラックの片隅に壊れてほこりをかぶった唐箕が置いてあったのを覚えてます。きっと昔はお米も作ってたんだろうな。

 唐箕はハンドルを回すと風が起こる仕組みが入った木の箱で、上から籾殻のまざった米を入れて回すと籾殻だけ吹き飛ばしてくれます。これなら風が吹かなくても作業できるのですごい発明だったんじゃないかと思います。

食べてみた


 もうちょっと量が多かったら大胆に黒米だけの玄米ご飯を炊いてみたかったですが、あまり量がなかったのでスープにしました。野菜と一緒に煮てコンソメと塩コショウで味付けしただけです。玄米なのでちょっぴり歯ごたえがあって、食べるスープでした。


 というわけで、初めてのバケツ稲体験でした。小学生なら「農家の人は大変だと思いました」とか書くところですが、こんなちょっぴりでは珍しいことをしてみただけで農家の苦労をわかった気になるほど子供でもなければ素直でもないので、初めてなので面白かったわ、と言っておきます(笑)

 あ、でも、籾すりだけは大変だったなあ。古代の人の苦労はめちゃくちゃ感じました!文明の利器はすげえでんですよ。ほんと文明すげえ。まじすげえ。