コメツブウマゴヤシとクスダマツメクサ
ごくごく小さな黄色い花をつけるこの草は、群馬の田舎に住んでいた頃は見なかったように思います。東京に出てきて、たぶん2000年代の最初くらい、新木場の駅前(江東区)あたりに沢山咲いていて、なんだろうこれは、と思ったのが自分の中では初めてのコメツブウマゴヤシでした。
コメツブウマゴヤシは帰化植物で、なんでも1930年に和歌山県ですでに確認されてるそうなので(ソース>バイエル:コメツブウマゴヤシ)、ある所には昔からあったんだと思います。東京にもわたしが気付いてないだけで、もっと前からあったかもしれないです。
それから何年かたったら、葛飾区あたりでもすごく沢山見かけるようになって、今じゃ春になるとどこにでも生えてる草という印象です。
これとそっくりな草花に「コメツブツメクサ」というのもあるそうなんですが、托葉の形が違うらしいんですよね。
托葉というのは茎から葉柄が枝分かれするところに生える小さな葉っぱのようなものです。コメツブウマゴヤシは、先がピンと尖った托葉が、両側に一枚ずついてます(もともとは一枚で真ん中で裂けて二枚になってるのかもしれませんが)。
コメツブツメクサのほうは、托葉が葉柄をくるっと抱くような感じで一枚になってるらしいです(参考>松江の花図鑑:コメツブツメクサ)。
コメツブウマゴヤシの花は鮮やかな黄色で、とても小さく、複数の花が集まって球状になっています。この塊ひとつが5mmくらいしかありません(花自体の大きさは3mmくらいでしょうか)。
ところで、今年ふと気付いたんですけど、コメツブウマゴヤシにそっくりで、やたら大きな花がありまして…
コメツブウマゴヤシは、花の塊が5mmくらいなんですが、大きな何かは10mmくらいあります。コメツブウマゴヤシが横にはう感じで広がってるのに対して、この大きな何かは地面から立ち上がっているようです。
それで「コメツブウマゴヤシに似て大きな花」とかで検索したら「クスダマツメクサ」という花があるそうで、どうもそれっぽいですね。
それにしてもよく似てます。葉っぱの大きさも付き方もほとんど変わらないし、托葉もそっくり。
花だけはあきらかに大きくて、こうして接写してみると、花弁にくっきりとすじがあるのが見えます。
どちらの花も咲き終わると下に垂れた感じになります。
和名 | クスダマツメクサ |
科名 | マメ科 |
学名 | Trifolium campestre |
属名 | シャジクソウ属(Trifolium) |
原産 | ヨーロッパ原産。北アフリカや西アジアとするサイトもある。 |
和名 | コメツブウマゴヤシ |
科名 | マメ科 |
学名 | Medicago lupulina |
属名 | ウマゴヤシ属(Medicago) |
原産 | ヨーロッパまたは北アフリカ原産。 |
# 南米原産とするサイトもあるが、ちょっとあやしい。
学名など調べてみると、ふたつともマメ科なのですが、こんなにそっくりなのに属が違うんですね。へえ。
ウマゴヤシ属はアルファルファ(という野菜)と同じなのでなんとなく耳なじみがあったんですが、シャジクソウ属ってなんだ??と思ったら、シロツメクサ(クローバー)やムラサキツメクサ(レッドクローバー)もシャジクソウ属なんだそうです。ほほう。しかし肝心のシャジクソウは見た事も聞いた事もなかったです。