気がむいた時だけ更新する草木花(仮題)

せっかくあるのでほっとかないで使おうかなあと…

ヤセウツボ徹底解明?!

 ヤセウツボ、本当に増えてます。先日道端に生えてるのを見て、何気なく引っ張ってみたら、なんの抵抗もなくすぽっと抜けてしまいました。

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抜けたので持ち帰ってみたヤセウツボ

 ヤセウツボの季節 で根っこを掘りかえしてみたいとは書いたのですが、見たいのは他の植物に寄生してる状態なので、こういう抜け方をしたんじゃなあ…とは思うのですが、せっかくなので持ち帰って撮影会です。

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根元に直径2cmくらいの塊がある。
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茎には毛が生えてる。パッと見粉っぽく見える。

 茎に生えてるのは毛であって、粉がついてるわけじゃないと思うんだけど…もっとマクロにして写しておけばよかった。まあ、いくらでも生えているので気が向いたらまた拾ってきます。

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花は互生で螺旋状についてる。
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互生、対生、輪生のちがい

 対生(たいせい)は一ヶ所から二本の葉や花が生えること。輪生(りんせい)は一ヶ所から三本以上の葉などが生えて茎を輪のように囲むこと。互生(ごせい)は枝などが互い違いに生えること。

 ヤセウツボの花はわずかにずれながら互生していて、さらに茎を旋回するようについてる。

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花。唇形花(しんけいか)というやつですね。
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花。入り口になにかついてる。

 花は唇形花(しんけいか)といって筒状にくっついた花びらの先が唇のように上下に割れた形をしています。唇(花びら)の間についている喉ちんこみたいなものは、たぶん"め"しべの頭(柱頭)でしょうね。ちんこなのに。ちんこちんこいうなよわたし、いちおう乙女なんだからさ。

 いいよいいよ、ヤセウツボちゃん、そこでちょっと脱いでみようか!

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花びらを剥いてみた。

 おしべは四本で、その中心にあるのがめしべ。やはり喉ちんこみたいなものは柱頭ですね。

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咲き終わった花を剥いたもの(左)|咲き終わった花(右)

 咲き終わってしおれた花を剥いてみると、喉ちんこの根元が膨らんでいました。子房というやつですね。この中に種ができるはずです。

 あ、ここまでやったら子房を切ってみればよかったですね。気が利かなくてすみません。またそのうち拾ってきます。

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茎の断面、根元に近いところは中空。
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茎の断面、花がついているあたりはスカスカではあるものの、いちおう芯がある。

 茎は、根に近いところはストロー状になっていて、花がついているあたりには芯があります。芯と表皮の間がスカスカになっています。

和名 ヤセウツボ
学名 Orobanche minor
科名 ハマウツボ
属名 ハマウツボ
原産 南ヨーロッパ北アフリカ